アトピーほどいろいろな意見が世間に出回って、被害をこうむった患者さんの多い皮膚疾患はありません。 その原因はいろいろあると思いますが、
  1. 過剰なまでのステロイドへの拒絶反応。
  2. これが本人だけでなくその親御さんをまきこんでいること。
  3. これに目をつけて儲けようとしている輩がいること。(アトピービジネス)
などでしょう。アトピーのことやステロイドのことを、もっとしっかり理解しておけば そんなことにならないと思うのですが。

(1)アトピーの成因

アトピー

 アトピーの成因には様々な要素が関係します。  アレルギー素因があったり、皮膚に物理的化学的刺激が加わって痒みを生じた場合、 掻くことを続けると皮膚のバリアーが壊れます。 すると、そこからアレルゲンなどの有害物質が入り込みやすくなります。 これがさらに痒みをひどくし、また激しく掻いてしまうといった悪循環が生じます。
 精神的なストレスは痒みを強く感じるだけでなく、「掻くこと」でストレスを 発散させようとします。

 ここまで話せば、どうやったらアトピーが良くなるかのヒントが見えてくると思います。

(2)アトピーを治すために
 アトピーを1つの方法だけで治そうという大それた考えは捨てましょう。

A.まずは、症状を改善すること。それには、
  1. 炎症を鎮める。  ⇒ 「ステロイドの軟膏」
                  「プロトピック軟膏」 を使います。
  2. 痒みを抑える。  ⇒ 「抗ヒスタミン剤」 を内服します。
 ステロイドにもいろいろあります。現在は、同じ強さでも皮膚萎縮などの副作用が 少ないものが出ています。また、「プロトピック軟膏」は免疫抑制剤でステロイドで はありませんが皮膚の炎症を抑えます。使い始めは皮膚の刺激症状が見られますが、 皮膚が正常になると吸収されなくなり、当然副作用も起きなくなります。

  日本皮膚科学会でも発表された <外用薬の使い方の実際>

    <第1段階>毎日    朝:プロトピック軟膏  夜:ステロイド
      ↓
    <第2段階>週3回位  朝:プロトピック軟膏  夜:ステロイド
      ↓
    <第3段階>週3回位  朝:プロトピック軟膏  夜:なし
           いずれの段階も、保湿剤を適宜併用します。そして、
      ↓
    <第4段階> 保湿剤のみ

 このようにアトピーが改善してゆくにしたがって薬を減らして、最終的には ステロイドを使用しないところまでもってゆきます。当院では、定期的に診察をしてその状態に 合わせて外用薬の使用法を説明書を渡して指示しています。



B.次に、良くなった症状を維持するためにはどうするか。
  1. 皮膚のバリアーを保つ。
    ⇒ 「保湿剤」 を使います。 特にセラミドは角質を正常に保つために必要で、 当院でもセラミド入りの保湿剤を調合しています。
  2. 新陳代謝を健全にする。
    ⇒ 「ビタミン類」 や「漢方薬」を内服します。 漢方薬は「補中益気湯」などの補剤を主に用います。
  3. アレルギー体質を改善。
    ⇒ ここでも「漢方薬」 を内服します。 例えば「温清飲」や「黄連解毒湯」などです。
 このように、アトピーの治療は様々な方法を併用する必要があります。
ここでは書きませんでしたが、「精神的なサポート」も大切です。 どの方法をどのように用いるかは患者さん一人ひとりによって全部違います。 いわゆる「匙加減」というのが大切で、そこがアトピー治療が難しいと言われる理由ではないでしょうか。

  え、ピーリングがアトピーに効く?

 ピーリングといってもサリチル酸マクロゴールによるピーリングのことです。その理由は 「ピーリングにより皮膚のターンオーバーが改善され、正常な角質が再生される。」からです。 すでに何人かにおこなっていますが、確かに良いようです。

  ⇒当院のピーリング

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