皮膚のトラブル

皮膚なんて見ればわかるじゃないか、ということを言う人がいます。確かに、皮膚を目だけで判断して治療しても半分は当たります(①)。しかし、それは素人のやり方です。皮膚科の医師であれば、目だけでは判断できない皮膚全層あるいはその下の皮下組織まで考えて治療をします(②)。さらに、もっとつきすすめれば、全身が皮膚に与える影響を考えて治療を行わなければなりません(③)。

当院では、外用薬だけでなく内服薬、それも一般の内服薬だけでなく、体質改善を考えた漢方薬も必要に応じて処方します。
もちろん、疾患によってはそれだけでは解決しないものもあります。皮膚腫瘍・シミ・シワなどがそうです。皮膚腫瘍に関してはダーモスコピーで確かめて、悪性の疑いがあれば大学病院に紹介し、明らかに良性であれば当院の日帰り手術で治療を行います。また、シミやシワに関しては、保険適応のないものが多く、当院では美容皮膚科部門を立ち上げて、レーザー治療やヒアルロン酸注射などをおこなっています。これについては下記のサイトをご覧ください。

よくある質問(FAQ) -2-

Q1:アトピーなのですが、ステロイド外用剤はあまり使いたくありません。どうしたらよいでしょうか?

A2:アトピー性皮膚炎は皮膚の炎症が強いので、ある程度炎症を抑えるために最初はステロイド外用剤が必要です。ある程度炎症がおさまってしまえば、保湿剤で状態を保持できる場合もあるし、数年前からコレクチム軟膏というステロイドではない外用剤(過剰な免疫反応を抑える薬)も出ています。なお、重症のアトピーには生物学的製剤(デュピクセント等)を使う場合もあります。アトピー歴が長い人は諦めている方もありますが、最近の治療はかなり進歩していますので一度ご相談下さい。

Q2:皮膚にできものがあり、抗生剤入ステロイド外用剤を数ヶ月塗っているのですが良くなりません。どうしてでしょうか?

A2:ダーモスコピー等で確認する必要がありますが、多くの場合は腫瘍です。良性ならば放置していても良いのですが、悪性が疑われる場合には、大学病院等へ紹介します。また、シミのように見えて日光角化症という前がん状態もありますので、皮膚の異常をみつけたらすぐに受診することをお勧めします。